4stepの勉強の仕方ではなく、授業での4stepの指導の仕方についての解説記事です。しかし、勉強の仕方も記していますので、高校の生徒にも参考となります。

ワークは、授業中に練習させることや宿題として出題します。「やっといてね」だけだと「問題を解くこと」だけに終始してしまう生徒が多いです。私個人の傍用問題集(ワーク)の評価基準と勉強方針の指示を公開します!

ご自身で本ブログ内容を変形して授業でご利用ください。方法や意識の仕方、コツを生徒と共有しているか否かは、生徒の学習の習熟に大きく差が出ます!知っておいてください。

今回の話題は、難関国公立を含めた大学への進学を見据えて、傍用問題集を4stepとして授業を進める想定で書かれています。(他の傍用問題集でも応用できます!)

数学のワーク(傍用問題集)のコツ

学校の数学の授業では、基本的に教科書とワーク(問題集)をセットにして指導されている方が多いと思います。傍用問題集とは、教科書と同じ順序で項目が書かれているワークで、基本的に、授業で履修したことを自学で復習するテキストであると認識しています。

ワーク課題を指示するにあたり、

  • 授業で習ったことが自分でできるか確認する。
  • 授業で習っていない問題でも自分でできるように仕上げる。

という2点を念頭に本記事は指導方法を解説しています。

多くのワークに書かれている問題には、大きく2つに分類して「基本問題編の部分」と「応用問題(発展問題)の部分」があると思います。今回は、私の学校で利用している数研出版の4stepで解説しますが、他のワークでも同様です。

【数研出版:4stepへのリンク】

4stepは、問題の難易度を大きく分類すると、A問題とB問題に分かれます。A問題が基本問題という認識、B問題が応用問題という認識で区別して話をしますので、ご利用のワークに合わせて解釈していただけますと幸いです。

以下が生徒と共有している内容です。ご参照ください。

ワークノートの使い方と評価方法

自己学習の仕方について。ワークノートの使い方と評価方法です。

問題集用のノートをワークノートと呼ぶことにします。

◯年◯組 数学△ 勉強用

ワークノートの使い方

ワークノートの使い方とルールについて、確認すること。

  • ワーク(問題集)を解き進めるために使う。
  • 途中式は必ずしも必要ではないが、考えた道筋は残す必要 が有る。
  • 質問に来るときに持ってくる(解説をノートに書きます)。
  • 4STEP 以外の問題集や模試のやり直しなども、このノートに行えばよい。

ワークノートの評価段階と評価方法

ワークノートの評価は、次の規準で行うので確認すること。←完全オリジナルな規準なので、人それぞれだと思います。

12点満点(0〜12 点)とする。

  • 12点:極
  • 11点:
  • 10〜8点:
  • 7〜5点:
  • 4〜0点:

ノート提出の評価項目①(必須項目)【N項目

Nは、normalの意味で付けました。。。あとで、評価の内訳をノートに書くことを言いますが、その時のために、アルファベット一文字で表していると楽です。

【N項目:3点】必須項目

以下の項目を全て満たして 3 点を与える。一つでも不可項目があれば 0 点であり、再提出が必要である。さらに、以下のC項目以上の評価はしない。なお、この事項が守られていれば、大学に入学してレポートを提出する場合でも困らないでしょう。

[ 提出物として適切である ]

  • 数学△用で、かつワーク(問題集)用のノートにする。
  • 教科名, 学年・組・番号, 氏名を、ノートの表紙のすぐに確認できる場所に記載する。
  • ノートとしての体裁を守る(提出と保存に適した形状で出すこと)。例えば、ルーズリーフで提出も認めるが、バインダーに挟んで保管し、通年分すべて同じバインダーに保存しておく。数枚の紙をホッチキスで留めただけの形状の提出は認めない
  • 提出期限を守って提出する。

[ 提出範囲が明確である ]

  • 毎回表紙ページを作る(ボールペン書きでの宣言をすること)。ワークの提出課題を進み始めるときの初めの 1 ページを丸々使い、「今回の提出の範囲」「今回の提出期限(提出日)」「勉強計画」「B 問題をする分量の目標の目安」など書くこと。表紙には、以上のことを全て記すこと。

[ 当たり前の知識が身についている ]

  • A 問題を 9 割以上消化できている。

ノート提出の評価項目②(A問題の達成)C項目

【C 項目:1〜2 点】 A問題の達成

A問題レベルの達成をするために、A 問題の間違えた問題に関して、間違えた原因の分析と、その都度のやり直しができている。

ノート提出の評価項目③(B問題レベル以上の達成)B項目

【B 項目:1〜3 点】 B問題レベル以上の達成

B 問題のレベル以上の問題について、できる問題を増やす努力ができており、実際に出来るようになっている。この項目に関しては、下記のワーク(4STEP)への取り組み方を参照すること。

ノート提出の評価項目④(できることの確かめ)A項目

【A 項目:1〜2 点】できることの確かめ

間違った問題に関して数日後の解き直しをしている。(解き直しを行なったことが分かるように書くこと。)

ノート提出の評価項目⑤(プラスα)S項目

【S 項目:1〜2 点】プラスα

項目N, C, B, Aの全てに 1 点以上の得点がある場合のみ、この項目の得点を与える。例えば、次のような勉強や工夫ができていることが確認できれば、プラスαの得点を与える。

  • 大切なポイントを随所にまとめている
  • 提出の指示にはないが当該範囲の問題の練習ができている
  • 何度も何度も繰り返して練習している
  • 提出範囲以外の問題の演習をしている。etc.

ワーク(問題集)への取り組み方

4stepでは、特に、A問題とB問題の位置付けが異なるので、それぞれの問題への取り組み方の例を伝える。A問題は、基本的に教科書で履修の内容でありできるように仕上げる必要がある。B問題は、授業で習った考え方では解けず、新しい考え方が必要なことが多いため、必ずしも初見で解ける必要はない。

数学を勉強するにあたり(ワーク演習に限らず)

数学の力の一つの段階を示す。数学を勉強するにあたり、先の段階を見据えて、勉強に取り組むとよい。

  • 分かって、できるの積み重ねをする
  • 自分で決めたことをやりきる
  • できる問題を増やす努力をする

授業が分かる → 習った問題ができる → 既習事項を整理・定着する → 応用や証明問題を理解できる → できる問題を自分で増やす → 計画立てて問題集を進める → 自分で問題や課題を見つけて取り組む。

さらには、本質的な部分について思考を巡らせることも重要となる。←今後充実した文言にします。

授業内容の理解の確認(A問題レベルへの取り組み方)

A問題レベル(授業内容の理解の確認)は『100%できて当たり前である。』と意識を持つとよい。

教科書の練習問題(や、はぎとり式ドリル)で単純な問題を練習した後に利用するとよい。

[ ワークに取り組むためのヒント ]

  • 授業内容をしっかりと聞く。
  • 授業中に習った解法を思い出しながら取り組む。
  • 出来ない問題は, 教科書やノートを見返す。

できる問題を増やすための勉強(B問題レベル)

B問題レベル(できる問題を増やすための勉強)は『100%できなくて当たり前である。』『だから、できる問題を増やす努力をする。』と意識を持つとよい。

授業で習ったことを確認する為に問題に取り組むのではなく、「出来る問題を増やす」努力を意識する。授業で習った知識を組み合わせても解くことができない問題はある。その点にばかり時間を費っていると解き進められない。

提出のために赤ペンで解説を丸写しするだけという作業は時間と労力の無駄で何一つ効果が無く、勉強をやった気になるだけのことですので、やらないでください。

[ ワークに取り組む為のヒント ]

  • 一度問題を解く。
  • 解説を読む。
  • 解説に書いてあることの意味を考える。
  • ノートに書くなどし、自分で解法を組み立てる。
  • もう一度解いてみる。
  • できる心地がしないなら、数日後にもう一度解いてみる。
  • 提出範囲の全ての問題を一気に出来るようにするという意識ではなく、出来る問題を一つでも増やす気持ちで行う。

ここまでの勉強を行うことで、

『この単元(の基本的な問題)ならば、全部できる!』

と自信を持って言えるようにしましょう。

単元の全ての問題が解けるために(発展問題レベル)

発展問題レベルを習得して、『数学力を一般的なレベル以上にする。』ことを目指しましょう。

このための意識のヒントを伝えます。

  • 問題集を進める計画を自分で立てることができる。
  • 問題集を自分でやり切る。次の問題集へ進むことができる。
  • 自分で問題や課題を見つけることができ, 取り組むことができる。
  • 自分で問題の解答に対しての当否の思慮分別をつけることができる。
  • 夢の実現のために数学を活用できる。「出来た」の積み重ねから希望と自信を持つことができる。
  • 数学について自立する。

ワークの勉強方法とノートの使い方のまとめ

この記事では、傍問題集のワークをただ単に授業で行なった内容の定着を目指すだけではなく、自立した勉強習慣数学の勉強が独りでできるようにさせるための指示を共有しました。

私は、ワークノートを回収してをチェックするときに、次の評価をします:

  • 評価の内訳を記すための「N:⬜︎点, C:⬜︎点, B:⬜︎点, A:⬜︎点, S:⬜︎点」と書き、その横に合計点によって「」などと記します。(数字の点数だけでは寂しいので、どの段階かが分かりやすい言葉を付けました。)
  • 表紙のページに評価を書きますが、表紙のページの余白部に、生徒個人への勉強に関するメッセージを書きます。(このために表紙のページがあると便利です。)ワークノートを教員が見るということは、評価点数をつけるためだけではなく生徒の状況を把握することも重要項目です。ノートを見て、勉強の仕方として不足していることがあれば、表紙にメッセージとして書くようにしています。

ワークの勉強が自立するためには、提出の有無に関わらず、ある程度、適切なノートがあの使い方ができてることが大切ですので、ノートの使い方、意識の持ち方も伝えています。

ただ単に、「ワークやってねー」という指示よりは、【勉強のやり方が分からない】数学が苦手な生徒に対しての安心した指示となると思います。このためのヒントになっていただければ幸いです。

ご覧いただきありがとうございます。参照できる部分は、参考にしていただき、授業レベルと目の前にいる生徒に合致した指導を目指すためのヒントにして頂けると執筆した甲斐があります。ありがとうございます。

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