• まとめ
  • 具体例

「特殊相対性理論」とは

特殊等価原理と光速度不変を認めた、時空の物理学のこと。

[1]特殊等価原理

どの慣性系であっても,

同じ物理法則が成立.

[2]光速度不変の原理

どの慣性系からも

光速は一定

( $c$ とする).

仮定

慣性系 $S$ の観測者(座標 $(t, x)$)に対して, 慣性系 $S'$ の観測者(座標 $(t', x')$)は

速度 $v$ で等速直線運動

する. また, $\beta = v/c$ とおく.

A. ローレンツ変換

慣性系 $S$ の座標系で, 観測者 $S'$ の運動を表すと:

$\displaystyle ct' = \frac{1}{\sqrt{1-\beta^2}}(ct - \beta x)$, $\displaystyle x' =\frac{1}{\sqrt{1-\beta^2}}(x- \beta ct)$

B. 時間と空間の収縮の相対性

  1. 時計の遅れ:$\Delta t' = \sqrt{1 - \beta^2} \Delta t$
  2. ローレンツ収縮:$\Delta x' = \sqrt{1 - \beta^2} \Delta x$

C. 質量とエネルギーの等価性

慣性系 $S$ で質量 $m$ の物体がもつ静止エネルギー: $E=mc^2$

ポイント解説

慣性系

静止または等速直線運動の関係の観測者による座標系のこと.

ニュートン力学

時間と空間は絶対的; $\displaystyle t' = t$, $\displaystyle x' =x-vt$(ガリレイ変換)

A

初期位置が同一であることと, 慣性系の仮定より線形変換で $t'=p t + r x$, $x' = q(x - vt)$ とできる. 下の3式から, ローレンツ変換が得られる.

・$x'=vt'$ $\Rightarrow$ $(t,x)=(0,0)$ ($\because$ [1])
・$x^2 -(ct)^2 = (x')^2- (ct')^2$ ($\because$ [2])
・$V \to 0$ $\Rightarrow$ $(t,x)=(t',x')$($\because$ ニュートン力学)

B

$S$ 系での運動の各座標を整理する:

①$S'$ は $x=vt$,
②原点 は $(t,0)$,
③距離 $x_A$ の点は $(t, x_A)$

これらの $S'$ 系での座標をローレンツ変換で導く. ①から(1), ②③から(2)が導ける.

パラドックス

双子

時間の遅れから得られるパラドックス

ウラシマ効果

時間の遅れから得られるパラドックス

一般相対性理論

Einstein's field equations

$G_{\mu \nu} + \Lambda g_{\mu \nu} = \frac{8 \pi G}{c^4} T_{\mu \nu} $

参考文献

「時空の幾何学」

著:J.J.キャラハン
訳:樋口三郎
出版:Springer