教員が黒板やホワイトボードに板書して、生徒がノートに書き記すことは授業の基本スタイルです。しかし、これから板書に書くぞ!という内容を事前に話すときに生徒が真剣に聞いてくれない場合も多いですね。
板書で書く前に説明することは大切です。iPadとGoodNotesの電子ボード化で効果的に事前説明が実現できました。この実践記録を紹介いたします。
目次
【事前準備】iPadとGoodNotesの電子ボード化授業
ICT機器の環境の用意についての解説を行います。iPadとGoodNotesがあれば充分ですが、他の環境でも代用は可能かと思います。
ICT機器の授業準備[iPadやGoodNotes]
タブレットの描画機能をプロジェクターで投影して説明指導をするためのICT機器があれば充分です。この記事では、具体的に次の環境で行っています。
- iPadとプロジェクター(と、繋ぐコネクタ)
- GoodNotes(iPadのアプリ)
- Apple Pencil(無くても手書きで大丈夫かもしれない)
まず、何かしらのタブレット端末が必要です。iPadが便利かと思っていますが、他のタブレットでも代用可能かと思います。タブレットをプロジェクターに投影するためのコネクタも別途必要です。
今回の授業では、描画機能で書き込みつつ説明を進めていきます。ノートアプリとしてGoodNotesというアプリを利用していますが、他のノートアプリでも全く問題ないと思います。このノートアプリに書き込むためのペンが必要です。Apple Pencilがあれば便利ですが、手書きでもできると思います。
あなたがご利用されているICT機器やノートアプリに合わせて、カスタマイズしていただけると幸いです。
【実践授業】iPadとGoodNotesの電子ボード化
実践授業を2つ紹介いたします。動画での説明もあるので、是非ご覧ください。
電子ボード授業①
電子ボードで、たすき掛けを効果的に教える手法は、次のリンクのブログにまとめました。是非ご覧ください。
電子ボード授業②
この記事のメインの授業実践記録です。場合の数の単元における最短経路の問題の解説です。
動画(3分37秒)をご覧ください。無音なので、どこでも見ることができます!
いかがでしたか?電子ボード内で、矢印などを実際に動かして伝えることで、印象付けながらスムーズに教えることができます。
電子ボード授業②の動画の説明
電子ボード授業②の動画内で実践したことを簡単に説明します。
まずは、他のアプリ等で作成した「PからQへの道路の図」をGoodNotesに、取り込んでおきます。私は、図はExcel(Numbers)で作成しました。
取り込み方は、こちらの記事内で解説しております。パワーポイントのように取り込めますので簡単です!
次の2つの作業を行いつつ、生徒に、一つの道順と矢印を並べることに同一視を得ることができることを伝えます。
- レイザーポイント機能で、一つの道順をなぞる。
- ペンの機能で、矢印を描き、矢印を並べる。(矢印を一つ作れば、あとはコピペすれば楽です。)
この作業を生徒と一緒に何度か行うことで、最短経路問題の最も核となる考え方を生徒と擦り合わせていきます。
スムーズな流れとしては、レイザーポイント機能で道順をなぞり、その道順を表す矢印の並びを考えさせることを何回か行い、この逆の操作を次に行います。
つまり、道順を表す矢印を任意に並べ替え、その矢印の並びの表す道順を考えさせるということをさせます。
数学的な表現をすると、これら2つの作業を繰り返すことで、「最短経路道順」と「矢印の並び」への 1:1対応が成り立つことを示すことができると伝えます。(最短経路問題の核となる考え方です。)
レイザーポイントは消えてしまうので、最後にペンでいくつかの道順をしっかりとなぞって軌跡を残しておきます。
↓↓このように行いました↓↓
最後のまとめに入ります。
いろいろな情報を同じ画面に載せておき、まとめの完成です。
あとは、この画面をノートに写させても良いし、再度、板書として生徒と一緒に書いていく、というスタイルもありだと思います。
電子ボード授業②の手順のまとめ
最短経路の場合の数を教えるときに、今までの授業では、私は次のようにしておりました。
- 板書に、問題の図を描く。
- 最短経路の道順を生徒に挙げさせる。
- 各道順を板書で(いくつか)色ペンでかき分ける。
- その各パターンに対しての、「↑」「→」を並べたものを書き並べる。
みなさんもご経験があるかと思いますが、、、②番目の項目までは楽しく進みます。
しかし、③番目の項目の時点で、板書はぐちゃぐちゃになります。さらに、④番目の項目になると、たくさん書けば書くほど、しんどいだけになってしまいます。
今回紹介した電子ボードの授業をしてから、授業の順番を容易に次の手順にすることができました。(何もなく口頭だけで説明をしても、集中力は持続しないことが多かったので。。)
(説明を受けて)分かる → (整理として)板書する
具体的には、次の手順で解説がしやすいという意味です。
- 電子ボードで問題を映す。
- 最短経路の各パターンを、生徒に挙げさせる。
- (動画のように)最短経路の道順と矢印の並びの 1:1対応を認識させる。
- 整理として、大切なことをペン機能でまとめる。
- 整理としてノートに板書させる。
- 問題演習を行わせる。→ などなど。
このようにすると、①〜④の間は、生徒は話を聞くことに集中できます。さらに目の前で「動き」ながら、説明が行われるので、集中力も持続します。
生徒が分かった上で、理解した上で、整理として板書することは、非常に有意義なノートの活用です。つまり、
(説明を聞いて)分かる → (整理として)板書する
という順番を実現しやすいことが言えます。今回の電子ボード化授業の方法の大きなメリットです!
iPadとGoodNotesでの電子ボード授業を数学で利用した感想
今回の記事は、最短経路を示す問題において、GoodNotesを電子ボードとして利用する指導法を伝えました。
非常にスッキリと教えることができ、書く前に説明することも実現しやすくなります。
電子ボードの利用はは、他の項目を教えるときにでも応用できますので、使える場面を検討してみていただけると幸いです。是非教えてください。
ここまで、お読みいただきありがとうございます。