数学の授業で、たすき掛けを教えることはスラスラと進むでしょうか?たすき掛けの解法を教えることに焦点が当たるよりかは、たすき掛けの計算の試行錯誤の方法を教えることになります。
iPadとGoodNotes(アプリ)を授業で効果的に利用することで、たすき掛けについて生徒と一緒に考える時間を実現し、その後、まとめとして板書するというスタイルが実現できました。なんと数学が極端に苦手な生徒にもたすき掛けの解法がバッチリ伝わりました。
2次式の各係数の積のパターンを全て検討して板書に書くこと、生徒のノートに全て書かせることは、何回かの授業で行うことは大変です。
私は腕が痛くなります。。。(笑)➡️解消できます!
今回は、iPadとGoodNotesを利用してたすき掛けを教えるではなく、たすき掛けを理解させるために、iPadを効果的に利用する方法をご紹介します。
目次
【事前準備】iPadとGoodNotesの利用でたすき掛け授業
ICT機器の環境の用意についての解説を行います。iPadとGoodNotesがあれば充分ですが、他の環境でも代用は可能かと思います。また、授業以前に、GoodNotesの背景の画像をセッティングしておく必要があるので、説明いたします。
ICT機器の授業準備[iPadやGoodNotes]
今回の数学の授業でたすき掛けの計算手順をICTで指導するために利用するものを挙げます。
タブレットの描画機能をプロジェクターで投影して説明指導をするためのICT機器があれば充分です。この記事では、具体的に次の環境で行っています。
- iPadとプロジェクター(と、繋ぐコネクタ)
- GoodNotes(iPadのアプリ)
- Apple Pencil(無くても手書きで大丈夫かもしれない)
まず、何かしらのタブレット端末が必要です。iPadが便利かと思っていますが、他のタブレットでも代用可能かと思います。タブレットをプロジェクターに投影するためのコネクタも別途必要です。
今回の授業では、描画機能に書き込みつつ説明を進めていきます。ノートアプリとしてGoodNotesというアプリを利用していますが、他のノートアプリでも全く問題ないと思います。このノートアプリに書き込むためのペンが必要です。Apple Pencilがあれば便利ですが、手書きでもできると思います。
あなたがご利用されているICT機器やノートアプリに合わせて、カスタマイズしていただけると幸いです。
たすき掛けの授業の授業準備
事前にノートアプリ(GoodNotesのスライド)として、たすき掛けの試行錯誤を説明するための背景スライドを用意しておきます。
次のようなスライドを用意して、ノートアプリに取り込んでおいてください。←大切な前準備です。
背景スライドの作成方法を解説します。GoodNotesの利用として説明をしますが、他のノートアプリでも同様の手順で再現できると思います。
まず、たすき掛けの背景スライドの内容をノートアプリに手書き入力(Apple Pencil)等で書き込み作成します。この自分で書き込んだ画像を「(pdfなどとして)書き出す」ことをします。
以降の画像を参考にしてください。
今書き出したファイルをノートアプリに再度読み込みます。読み込み方は、次の画像を参考としてください。
作成した背景スライドの画像がノートアプリの 「背景」となります!つまり、次のように状態が設定されます。
- ノートアプリの消しゴム機能で消しても消えない。
- ノートアプリの選択・移動機能を利用しても、背景内のイラストは動かない。
実現した「背景スライド」上で、数式を書き込みながら授業を行います!
【授業実践】iPadとGoodNotesの利用でたすき掛け授業
iPadとGoodNotesなどの用意ができれば、たすき掛けを効果的に指導する授業を行うことができます。
今回は、プロジェクターで移して投影する内容を動画として紹介致します。是非、ご覧ください。
iPadでたすき掛け授業実践動画
以上の準備のもと、iPadを利用して、どのように授業を行うのかを動画収録しました。この動画は2分間で、音声はありませんので、どこでも見ることができます。
私は思いついたとき感動しました。。。!
いかがでしたでしょうか?
iPadでたすき掛け授業の指導の工夫解説
この動画の手順と内容を簡単に解説していきます!
初めに、$x^2$ と $x$ の係数、定数項に数字を書くことによって、計算をしたい2次式を記入して用意します。
ここからは、画面をプロジェクターに投影して生徒と一緒に考えながら授業をしていきます。
たすきがけで解くときに、数字の組み合わせを考える際、「 $x$ 」の係数が肝腎要です。ここに注目を浴びることができるように、$x$ の係数を右下のボックスにゆっくり動かしてあげてください。←ココ重要です!
係数を動かす場面を見せることで、和が「 $7$ 」になるための計算を考えればよいという、計算の目標をはっきりとさせることができます。
そして、動画でお見せしたように、数字の組み合わせを生徒と一緒に何パターンも考えます。間違ったパターンの数字の組み合わせは消して、正しい数字の組み合わせの状態が明確になるまで進めてください。
最後にも見せ場があります!
正解のパターン(の数字の組み合わせ)が並んでいる部分に、カッコを書いて、このカッコごと数字を動かしてあげると、なんと、因数分解された式を組み立てることが実現できます!
つまり、クロスで掛けている意味を非常に明瞭に説明することができています!
この画像の状態で、たすき掛けを用いた因数分解の完成です!
因数分解できました!
パチパチパチ👏
【まとめ】iPadとGoodNotesでたすき掛け授業の工夫
私の授業では、数学が極端に苦手な生徒でも、この説明の仕方を行うことでたすき掛けだけできるようになりました。何かコツ(感覚)が掴めたようです。
私の実際の授業では、次の手順で説明を進めました。
- たすき掛けの指導以前に $(2x+1)(3x+2)$ のような式の展開を何パターンかさせました。係数の積を考えさせることで、出現する項と、その係数ができる過程に注意させました。
- 今回説明した方法で、生徒と一緒に、たすき掛けの積の組み合わせを考えます。間違った組み合わせの意見は非常に有益な試行錯誤の結果です。(板書だけだと疲れてしまいます。)
- 生徒とたすき掛けの仕組みを共有することができれば、板書でたすきがけの例を2つほど、この解法の解説とともに、きちんとノートに書かせます。
- そして、生徒に問題練習をさせます。
- 時間があれば、問題の解説のときにも、今回の方法で試行錯誤をしながら生徒と一緒に考えると良かったです。
この授業をやってみて、ふと思ったことは、大ベテランの先生方はiPadとか利用せずに紙とかだけで上手いことやってたんだろーなと感じました。
ここまで、お読みいただき、ありがとうございます。
自由に授業してください!生徒のたすき掛けスキルを完璧にさせてあげてください!
よろしくお願いします!ありがとうございます。