楕円は、円をギュッとした形です。

これを数学的に解説します!

円の拡大縮小による楕円の導出

単位円 $x^2 + y^2 =1$ を $x$ 軸方向に $a$ 倍,$y$ 軸方向に $b$ 倍した図形の方程式は次と一致する:
$$\displaystyle \frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1$$

円を伸縮すると楕円

円を「ギュッとする」とは、伸縮させるという意味です。

今回のテーマ(問い)は、「円を伸縮させたら楕円になるらしい」というものです。

はじめに、円と楕円が何かを確認し、問いを確かめます。

楕円の方程式

まず、楕円が何かを明確にしておきましょう。

今回は、教科書に書いている次の方程式が楕円ということを基準にしたいと思います。

楕円の方程式

楕円の中心が原点であり, $x$ 軸方向の半径が $a>0$, $y$ 軸方向の半径が $b>0$ の楕円の方程式は次の通り:

$$\displaystyle \frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1.$$

円を伸縮させた形

円は数学では $x^2+y^2=1$ で表せます。

伸縮させるとは、同じ倍率で拡大もしくは縮小させるという意味です。

数学的には、例えば、$(3, 1)$ という点を $(6, 1)$ にして、さらに $(2, 3)$ という点を $(4, 3)$ にするのは「$y$ 軸を基準に $x$ 軸方向に $2$ 倍に拡大した」と思うことができます。$1/2$ 倍だったら、縮小させたと思えます。

証明で確かめる

証明すること→単位円 $x^2 + y^2 =1$ を $x$ 軸方向に $a$ 倍, $y$ 軸方向に $b$ 倍した図形の方程式は次と一致する: $$\displaystyle \frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1$$

証明.単位円 $x^2 + b^2 =1$ を横方向と縦方向の両方に伸縮するという変形が, 楕円の方程式を導くことを示す.

横軸方向に伸縮させる

円を 「$x$ 軸方向に伸縮させる」ことを, $y$ 軸を基準に同じ比率($a>0$)で等倍すると定める.

つまり, 円周上の点 $(x,y)$ を $(ax, y)$ と変形する. 等倍されたあとの円周上の点の座標は $(ax, y)$ となる.

縦軸方向に伸縮させる

円を 「$y$ 軸方向に伸縮させる」ことを, $x$ 軸を基準に同じ比率($b>0$)で等倍すると定める.

つまり, 円周上の点 $(x,y)$ を $(x, by)$ と変形する. 等倍されたあとの円周上の点の座標は $(x, by)$ となる.

伸縮後の座標と方程式

円を $x$ 軸と$y$ 軸方向にそれぞれ伸縮したあとの点$(X,Y)$ の座標は $(ax, by)$ である.

$$(X,Y) = (ax, by)$$

$x = X/a$ と $y = Y/b$ を, 単位円の方程式 $(x^2 + y^2 = 1)$ に代入すると, 次の通り:
$$\displaystyle \left( \frac{X}{a} \right)^2 + \left( \frac{Y}{b} \right)^2 = 1$$

すなわち, 楕円の方程式である $\displaystyle \frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1$ を得る, ■

以上から、次のことを確かめることができました!

円の拡大縮小による楕円の導出

単位円 $x^2 + y^2 =1$ を $x$ 軸方向に $a$ 倍,$y$ 軸方向に $b$ 倍した図形の方程式は次と一致する:
$$\displaystyle \frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1$$

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