「微分」とは

関数の微小な変化による増減の値(瞬間変化率)を求めること。

微分

関数 $f(x)$ について,

$\displaystyle f'(a) =\lim_{h \to 0} \frac{f(a+h) - f(a)}{h}$

が存在するとき, $x=a$ における $f(x)$ の微分係数という. 微分係数に対応させる関数を導関数といい

$f^{\prime}(x)$

とかく. この計算・計算結果を微分とよぶ.

意味

微分係数 $f'(a)$ は $y=f(x)$ の $x=a$ での接線の傾きである.

A. 微分の性質

  1. $\{kf(x) \pm \ell g(x)\}' = kf'(x) \pm \ell g'(x)$[線形性
  2. $\{f(x) g(x)\}' = f'(x)g(x) + f(x)g'(x)$[積の微分(Leibniz rule)
  3. $\displaystyle \left\{\frac{f(x)}{g(x)} \right\}' = \frac{f'(x)g(x) - f(x)g'(x)}{g(x)^2}$[商の微分
  4. $\{f(g(x))\}' = f'(g(x)) \cdot g'(x)$[合成関数の微分

B. 関数の増減

  1. ある区間で常に $f'(x) > 0$($f'(x)<0$)ならば, $y=f(x)$ は単調増加減少)である
  2. $f'(a)=0$ であり, $x=a$ の前後で $f'(x)$ の符号が正→負(負→正)に変わるとき, $x=a$ で $y=f(x)$ は極大値極小値)をとる

ポイント解説

応用

微分は運動の瞬間速度に対応する;

記号

微分は $f'$, $\frac{\mathrm{d}f}{\mathrm{dx}}$, $\dot{f}$ 等と表記する

多項式の微分(例)

$c$ は定数とする。

  1. $(c)' = 0$ e.g. $(1)' = 0$
  2. $(x)'=1$, $(x^2)'=2x$, $(x^3)'=3x^2$
  3. $(x^n)'=nx^{n-1}$ ($n$ は自然数)

接線

$y-f(a) = f'(a)(x-a)$ が接線の方程式である。

B例

$f(x)=x^3-3x$ の増減を表す:

発展

微分の厳密な定義

$\epsilon - \delta$ 論法

による; (例) $\forall \epsilon >0$, $\exists \delta>0$ s.t. $\forall x$, $|x-a| < \delta$ $\Rightarrow$ $|\frac{f(x) - f(a)}{x-a} - f^{\prime}(a)| < \epsilon$