
2次関数のグラフは放物線と言われます。
今回は、放物線の定義に合致しているかを検証します!
2次関数のグラフは放物線
2次関数 $y = ax^2 + bx + c (a \neq 0)$ のグラフは放物線である.
例えば, $y = ax^2$ のグラフの焦点と準線は次の通りである:
- 焦点: $\displaystyle \left(0, \frac{1}{4a} \right)$
- 準線: $\displaystyle y=-\frac{1}{4a}$
2次関数のグラフは放物線
放物線かどうかを検証するためには運動方程式を利用することが必要です。
ただ、今回は数学的に、2次関数のグラフが放物線の定義を満たすかどうかを検証します。
2次関数のグラフ
2次関数は、$y = ax^2 + bx + c(a \neq 0)$ で表される関数です。
$a>0$ のときは下に凸の丸い曲線、$a<0$ のときは上に凸の丸い曲線になります。
グラフの形状だけ考えると、$y=ax^2$ と同じであるので、このグラフが放物線であることを示せば元々のグラフが放物線であることも分かる。
放物線の定義
数学的には放物線は次のように定義します。
ある点と直線からの距離が等しい点の軌跡を放物線という.
証明で確かめる
証明すること→放物線があったとしたら、ある点と直線があって、そこからの距離が等しい点の集まりに本当になっているのか?
証明.2次関数 $y =ax^2$ について考える.
ある点と直線の候補
点 $\displaystyle F : \left(0, \frac{1}{4a} \right)$ と 直線 $\displaystyle \ell : y=-\frac{1}{4a}$ が, 放物線の定義を満たすか確かめる.
※焦点 $(p,0)$ で準線 $x=-p$ である放物線の方程式が $y^2 = 4px$ であることから推測した.
確認事項の確認
2次関数上の動点 $\mathrm{P}$ から直線 $\ell$ におろした垂線の足を $\mathrm{H}$とする.
このとき, 次の式が成り立てば, 2次関数のグラフは放物線である:
$$\displaystyle \mathrm{PF} = \mathrm{PH}$$
距離の座標表示
2次関数 $y = ax^2$ 上の点 $\mathrm{P}$ を $(t, at^2)$ とおく.
線分 $\mathrm{PF}$ と $\mathrm{PH}$ の距離を座標表示する;
$\displaystyle \begin{aligned}
\mathrm{PF} &= \sqrt{t^2 + \left(at^2 - \frac{1}{4a} \right)^2} \\
\mathrm{PH} &= \left| at^2 - \left( -\frac{1}{4a} \right) \right|
\end{aligned}$
線分 $\mathrm{PF}$ の距離の計算
線分 $\mathrm{PF}$ の距離の式を計算する.
$\displaystyle \begin{aligned}
\mathrm{PF} &= \sqrt{t^2 + \left(at^2 - \frac{1}{4a} \right)^2} \\
&= \sqrt{t^2 + \left(a^2t^4 - \frac{1}{2}t^2 + \frac{1}{16a^2} \right)} \\
&= \sqrt{a^2t^4 + \frac{1}{2}t^2 + \frac{1}{16a^2} } \\
&= \sqrt{\left(at^2 + \frac{1}{4a} \right)^2} \\
&= \left| at^2 + \frac{1}{4a} \right|
\end{aligned}$
結論
以上により, $\displaystyle \mathrm{PF} = \mathrm{PH}$ が得られた.
したがって, 2次関数 $y=ax^2$ のグラフは放物線の定義を満たす. ■
このようにして、次のことを導くことができました。
2次関数のグラフは放物線
2次関数 $y = ax^2 + bx + c (a \neq 0)$ のグラフは放物線である.
例えば, $y = ax^2$ のグラフの焦点と準線は次の通りである:
- 焦点: $\displaystyle \left(0, \frac{1}{4a} \right)$
- 準線: $\displaystyle y=-\frac{1}{4a}$