「集合」とは

所属するかどうかが明確に定まっているものの集まりのこと。

記号

集合 $A$ に $x$ が属すことを $x \in A$ とかく, $x$ は $A$ の要素(元)という. 集合 $A$ に $x$ が属さないことを $x \not\in A$ とかく.

A. 集合の包含関係

集合 $A$ が集合 $B$ に含まれるとき $A \subset B$ とかく. $A$ は $B$ の部分集合ともいう. 含まれないときは $A \not\subset B$ とかく.

B. 集合の演算

  1. 共通部分:$A \cap B = \{ x \mid x \in A \ \textrm{かつ} \ x \in B \}$
  2. 和集合:$A \cup B=\{ x \mid x \in A \ \textrm{または} \ x \in B \}$
  3. 補集合:$\overline{A} (={}^cA)=\{ x \in U \mid x \not\in A \}$( $U$ は全体集合とする)
  4. 差集合:$A \backslash B=\{ x \mid x \in A \ \textrm{かつ} \ x \not\in B \}$

空集合 $\emptyset$

要素が何もない集合のこと [性質] $A\cap \overline{A}=\emptyset$, $\emptyset \subset A$.

全体集合

考える対象全体の集合のこと [性質] $\overline{U} = \emptyset$, $A \cup \overline{A} = U$.

C. ド・モルガンの法則

① $\overline{A \cup B} = \overline{A} \cap \overline{B}$

② $\overline{A \cap B} = \overline{A} \cup \overline{B}$

ポイント解説

表記

集合の表現方法には2種類ある;

  1. 内包表記:$\{ x \mid x \ \textrm{は} 5 \textrm{以下の自然数} \}$
  2. 外延表記:$\{ 1, 2, 3, 4, 5 \}$

A

$\forall x \in A \Rightarrow x \in B$

が $A \subset B$ の定義である。また,

$A \subset B$ かつ $A \subset B$

のとき $A=B$ とする(外延性の公理)。

B

それぞれの集合のベン図

C

ベン図は次の通り;

発展

ZFC公理系

が集合を保証する。