- 目次
- 理解
- 事例
- コード
- まとめ
【理解】フィボナッチ数列の解説
「フィボナッチ数列」とは
前の2つの数の和が次の数になる数列のこと。
フィボナッチ数列の和の公式
フィボナッチ数列の極限
フィボナッチ数列の拡張
フィボナッチ数列の漸化式と一般項について
<漸化式>定義
$F_n=\begin{cases}
1 & (n=1,2) \\
F_{n-1} + F_{n-2} & (n \geq 3)
\end{cases}$
詳細
<数列>フィボナッチ数列
$F_n=\{$ $1$, $1$, $2$, $3$, $5$, $8$, $13$, $21$, $34$, $55$, $89$, $144$, $233$, $377$, $\cdots$ $\}$
<一般項>ビネーの公式
$\displaystyle F_n = \frac{1}{\sqrt{5}} \left\{ \left( \frac{1+\sqrt{5}}{2} \right)^n - \left( \frac{1-\sqrt{5}}{2} \right)^n \right\}$
証明はこちら
フィボナッチ数列の和の公式について
<公式>フィボナッチ数列の和
$\displaystyle \sum_{k=1}^nF_k = F_{n+2}-1$
証明はこちら
<公式>平方の和
$\displaystyle \sum_{k=1}^nF_k^2 = F_nF_{n+1}$
証明はこちら
<公式>奇数項の和
$\displaystyle \sum_{k=1}^nF_{2k-1}= F_{2n}$
証明はこちら
<公式>偶数項の和
$\displaystyle \sum_{k=1}^nF_{2k}= F_{2n+1}-1$
証明はこちら
フィボナッチ数列の極限の性質について
<性質>比の極限
$\displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{F_{n+1}}{F_n} = \frac{1 + \sqrt{5}}{2}$
証明はこちら
<性質>逆数和の極限
$\displaystyle \sum_{n =1}^{\infty} \frac{1}{F_n} = 3.35998 \cdots$(無理数)
フィボナッチ数列の拡張について
<再定義>フィボナッチ数列
$F_n=
\begin{cases}
0 & (n=0) \\
1 & (n=1) \\
F_{n-1} + F_{n-2} & (n \geq 2)
\end{cases}$
こんな数列になる
$0$, $1$, $1$, $2$, $3$, $5$, $8$, $13$, $21$, $34$, $55$, $\cdots$
<定義>トリボナッチ数列
$F_n=F_{n-1} + F_{n-2} +F_{n-3}$ $(n \geqq 3)$,
$F_0 =F_1= 0$, $F_2 = 1$
こんな数列になる
$0$ , $0$, $1$, $1$, $2$, $4$, $7$, $13$, $24$, $44$, $81$, $149$, $\cdots$
<定義>テトラナッチ数列
$F_n=F_{n-1} + F_{n-2} +F_{n-3} + F_{n- 4}$ $(n \geqq 4)$,
$F_0 =F_1= F_2 = 0$, $F_3 = 1$
こんな数列になる
$0$ , $0$, $0$, $1$, $1$, $2$, $4$, $8$, $15$, $29$, $56$, $108$, $208$, $\cdots$
【事例】フィボナッチ数列の具体例
<総数>階段の上り方
$n$ 段の上り方の総数は $F_{n+1}$

解説はこちら
階段を1段か2段で上るときの上り方の総数は, 階段の段数に関してフィボナッチ数となる。$n$ 段の階段の上り方の総数を $a_n$ 通りとする。
[1段のとき]上り方は1通りだけ。$(a_1=1)$
[2段のとき]上り方は2通りある。$(a_2=2)$
$n$ 段のときは, 最後に1段上るか, 2段上るかで場合分けする。

最後に1段上るときは, それ以前に $n-1$ 段上っておく必要がある。つまり, $a_{n-1}$ 通りの上り方があって,そのどの場合も最後は1段上ることになる。
一方で, 最後に2段上るときは,それ以前に $n-2$ 段上っておく必要がある。つまり, $a_{n-2}$ 通りの上り方があって,そのどの場合も最後は2段上ることになる。
したがって, $a_n=a_{n-1}+a_{n-2}$ が成り立つ。$a_1=1$, $a_2=2$ であるから, $a_n = F_{n+1}$ が成り立つ.
<総数>タイルの敷き詰め方
タイルの敷き詰め方の総数は $F_{n+1}$

解説はこちら
$2$ cm× $n$ cmの長方形がある。ここに, $2$ cm× $1$ cmのブロックAをピッタリと敷き詰める方法の総数を $a_n$ 通りとする。
[ $n=1$ ]$2$ cm× $1$ cmの長方形にブロックAを敷き詰める方法は1通りだけ。$(a_1=1)$
[ $n=2$ ]$2$ cm× $2$ cmの長方形にブロックAを敷き詰める方法は縦に詰めるか横に詰めるかの2通りだけ。$(a_2=2)$
$2$ cm×$n$ cmの長方形にブロックAを敷き詰めるとき端にブロックAを縦に1つはめるか, 2つのブロックを横にして正方形にしてはめるかで場合分けする。

最後にブロックAを縦に1つはめるときは, 残りの部分が $2$ × $n-1$ の長方形にブロックAを敷き詰める必要がある。つまり, $a_{n-1}$ 通りの敷き詰め方があって, そのどの場合も最後はブロックAを1つはめることになる。
一方でブロックAを横に2つにして正方形をはめるときは, 残りの部分が $2$ × $n-2$ の長方形にブロックAを敷き詰める必要がある。つまり, $a_{n-2}$ 通りの敷き詰め方があって, そのどの場合も最後はブロックAを2つ横の正方形にしてはめることになる。
したがって, $a_n=a_{n-1}+a_{n-2}$ が成り立つ。$a_1=1$, $a_2=2$ であるから, $a_n = F_{n+1}$ が成り立つ。
<長さ>フィボナッチ螺旋
$n$ 番目までのらせんの長さは $$\displaystyle \frac{\pi}{2}(F_{n+2}-1)$$

解説はこちら
①の正方形の辺の長さを $1$ とすると, 以降の正方形の辺の長さはフィボナッチ数列となる。らせんの各パートの長さもフィボナッチ数列の規則で増えている。

[理由]$n$ 番目の辺の長さは, 前の2つの正方形の辺の長さの和になっていることが分かる。
正方形の辺の長さがフィボナッチ数列になっているので、らせんの各パートの長さもフィボナッチ数列の規則に従っている。
$n$ 番目の正方形内のらせんの長さは
$\displaystyle 2\pi F_n \times \frac{1}{4}$ $\displaystyle =\frac{\pi}{2} F_n$
である。
ゆえに, $n$ 番目までのらせんの長さの総和は
$\displaystyle \frac{\pi}{2} F_1 + \frac{\pi}{2} F_2 + \cdots + \frac{\pi}{2} F_n$ $\displaystyle =\frac{\pi}{2} ( F_1 + \cdots + F_n)$ $\displaystyle =\frac{\pi}{2} (F_{n+2}-1)$
となる。
<性質>パスカルの三角形
$\displaystyle F_{n+1} = \sum_{k=0}^{[\frac{n}{2}]}{}_{n-k} \mathrm{C}_k$

証明はこちら
Memo
<Memo>$\pi$ の連分数展開
$\displaystyle \pi = 3 + \frac{1^2}{6 + \frac{3^2}{6+\frac{5^2}{\cdots}}}$
<Memo>一山崩し
一山崩しというゲームの必勝法にフィボナッチ数が関係するそう。
【コード】Pythonでフィボナッチ数列
① $n$ 番目のフィボナッチ数を出力する
② $n$ 番目までのフィボナッチ数を出力する
まとめノート
「フィボナッチ数列」とは
前の2つの数の和が次の数になる数列のこと。
定義
任意の自然数 $n$ について,
$F_{n+2} = F_{n+1} + F_n$
, $F_1=F_2=1$.
数列
$1$, $1$, $2$, $3$, $5$, $8$, $13$, $21$, $34$, $55$, $89$, $144$, $\cdots$
A. 一般項(Binetの公式)
$F_n = \frac{1}{\sqrt{5}} \left\{ \left( \frac{1+\sqrt{5}}{2} \right)^n - \left( \frac{1-\sqrt{5}}{2} \right)^n \right\}$
B. フィボナッチ数列の多項間の性質
- $F_1 + F_2 + \cdots + F_n = F_{n+2}-1$
- $F_1 + F_3 + \cdots + F_{2n-1} = F_{2n}$, $F_2 + F_4 + \cdots + F_{2n} = F_{2n+1}-1$
- $F_1^2 + F_2^2 + \cdots + F_n^2 = F_{n}F_{n+1}$
- $F_1 - F_2 + \cdots + (-1)^{n+1}F_n = (-1)^{n+1}F_{n-1}+1$
- $F_{n-1}F_{n+1} - F_n^2 = (-1)^n$
- $F_{m+n} = F_{m+1}F_n + F_mF_{n-1}$
C. フィボナッチ数列の整数的な性質
- $p,q \in \mathbf{N}$ の最大公約数が $r$ ならば, $F_p$ と $F_q$ の最大公約数は $F_r$ である
- 連続する2つのフィボナッチ数は互いに素である
ポイント解説
A
$\phi = \frac{1+\sqrt{5}}{2}$ とする。特性方程式 $x^2=x+1$ の解 $\phi$ と $-\phi^{-1}$ から,
$$\left\{ \begin{aligned}
&a_{n+1} - \phi a_n = (-\phi^{-1})^n\\
&a_{n+1} - (-\phi^{-1}) a_n = \phi^n
\end{aligned} \right.$$
が成り立ち一般項が導出される。なお, この式から隣り合う2項の比の極限
$\displaystyle \lim_{n \to \infty} F_{n+1}/F_n = \phi$
も分かる。
B
以下の関係式も成立する:
- $F_nF_{n+3} = F_{n+2}^2 - F_{n+1}^2$
- $F_nF_{n+3} = F_{n+1}F_{n+2} + (-1)^{n+1}$
C
以下も成立する:
- $F_m$ が偶数 $\Leftrightarrow$ $m$ が $3$ の倍数
- $F_m$ が $5$ の倍数 $\Leftrightarrow$ $m$ が $5$ の倍数
- $F_{6m}$ は $8$ の倍数
黄金螺旋
$n$ 番目の円弧の長さ $A_n$ について,
$A_{n+2} = A_{n+1} + A_n$
が成立する。
















とても見やすいです!芸術作品ですね。